相続って何が面倒なの?
この質問にすぐに答えられる人は殆どいない事でしょう。
「百聞は一見にしかず」
という事でほんの一例をご紹介します。
【基本的な行政や利用サービスの申請・解約】
□上下水道・ガス・電気の手続き
□死亡届・世帯主変更届等
□年金や健康保険の手続き
□携帯電話や固定電話、ネット回線の手続き
□クレジットやサブスク関係
【受け取る手続き】
□生命保険
□行政への死亡一時金
□葬祭費の請求
□遺族年金
□遺産承継
おわかりいただけたでしょうか?
ほんの一部をご覧いただきましたが、これら以外にも多くの手続きが存在し、手続き先も多くの企業
家庭裁判所から法務局、市役所などの行政へ、そして金融機関へ手続きをしなければなりません。
足らずの資料があれば手続きは止まり、何が必要な資料でどこで取得するかなど1から確認をしていく訳です。それでは次の質問に進みましょう。
【引き継ぐ手続き】
□不動産の賃貸契約
□株や信託商品など有価証券
□自動車・バイクなどの乗り物
□損害保険(火災・自動車など)
□信用金庫や会社などの出資金
【法律上の手続き】
□遺産調査・財産目録の作成
□遺産分割協議書
□遺言書の検認や有無の調査
□住宅ローン先への申請
□資格者による相続人の調査・確定
□不動産の名義変更
誰にどの順番で相談しますか?
この質問も上記に同じく答えられる人は殆どいません。不動産はどうしますか?その不動産が越境している、耐震性がないなどの問題がある場合はどうしますか?また不動産の名義がお亡くなりになった方の名義の場合、ご売却する事はできません。その際はどうしますか?遺産の中で相続税の対象となるものならないものの振り分け、そして申告はどうしますか?相続人は本当にそれで確定ですか?遺品の整理はどうしますか?
こちらもほんの一部。
これらの相談を相続人の方々が別々に色んな人に相談した場合どうなるでしょうか?
次の質問に移りましょう。
相続診断士が取り纏める内容とは?
【不動産の問題】
・境界問題
・越境問題
・売却問題
・解体問題
・不用品処理
【有価証券の問題】
・保険金の請求
・節税枠は利用可能か?
・契約先金融機関の解約変更手続き
【現金の問題】
・相続税を支払える現金があるか?
・現金がない場合の補填策はあるか?
不動産購入が節税対策となるか?
・金融機関からの引き出し手続き
【その他死後事務等】
・これまでの諸契約の解約や変更手続き
・関係業者との連携や申告期限までのペース配分
・関係する行政への申請・手続き
エンディングノートの重要性
残されたご家族があなたがお亡くなりになった後、手続きに手間取らないようにする為のものです。金額は伝えずとも、どこの銀行でどこの支店に口座があるか?どこの口座にはお金が入っていないか?生命保険に加入しているか?その担当はどこの会社で誰なのか?誰かにお金を貸しているか?借りているか?これらを調べるのにどれだけ手間がかかるでしょう?ご家族の方を困らせないようにしましょう。


公正証書の重要性
被相続者の意思を残す事に最も効果的なのが公正証書です。法的効力としては一番強いと言われています。近頃では公証人の出張もあり、わざわざ出向く事もなくなりました。そして作成した公正証書は法務局に預ける事も可能で裁判所の検認が要りません。エンディングノートとあわせる事で相乗効果があると言えるでしょう。
遺産分割協議書の重要性
「誰が、どのように、相続をするか?」を明確にし法定相続分に縛られず遺産を分割する事ができます。作成するのは弁護士や司法書士、行政書士ですが、相続の内容によって依頼先や費用が変わります。また、作成はできるものの、遺産の分割方法については相談できない事もあります。
例えば、相続財産のうちの不動産に相続人の誰か1人が住んでいる場合はどのように分割するか?これは弁護士、司法書士、行政書士では解決できません。そして相続人全員が同意しなければ作成できず、公正証書や遺言書がない場合、現金、不動産、有価証券は基本的に法定相続分によって分けられる事になります。予め相続診断士に相談をして円満な解決をしましょう。

相続が争続となった事例集
【問題事例1】(直筆の遺言書が発見された争いになった事例)
相続人の内、1人が被相続者の字と違うと言った結果、筆跡を断定する事に手間がかかり登記や申告が大幅に遅れてしまった。
【事前対策】
公正証書遺言が良いでしょう。公証人であれば被相続者から依頼があれば押印までする事が可能で、裁判所で検認をする必要もありません。
【問題事例2】(法定相続分通りに相続をして争いになった事例)
遺言書がなく弁護士に言われた通り法定相続分通りに相続をしましたが相続人である子がお金に困り
共有持ち分のある不動産を売りたいと言い出した。
【事前対策】
法定相続分とは全ての相続者の状況に適した法律ではありません。
不動産はお子さんが相続した方が2次相続とならず節税効果がある、お金が困っている相続人には現金で解決するなど、遺産分割の方法は多岐にわたります。税理士・相続診断士に相談をしてみましょう。
【問題事例2-2】(法定相続分通りに相続をして争いになった事例)
被相続人の介護をしていた相続人が弁護士を入れて相続分の増額を求めてきました。
結果、その相続人は増額となりましたが仲が悪くなり絶縁状態です。
【事前対策】
法定相続分とは決して全ての相続者の状況に適した法律ではありません。
法律の前に配慮や話し合いが必要です。相続診断士は様々な事例に基づき、相続人の皆さんの人間関係が壊れないようベターな解決策をご提案します。
【問題事例3】(遺言書に基づいた相続で争いになった事例)
遺言の通り、私は不動産を兄は現金を相続しましたが、兄が不動産の評価額を見てから、現金では足りないと不動産の名義を共有にする事を提案してきました。私も高齢になっているので、自分の子に相続をする事を考えると頭が痛くなります。
【この場合の事前対策】
このような分割方法を共有分割と言います。不動産の共有分割は良くありません。
また、兄弟が別々の専門家に相談する事で余計に話が複雑になります。兄弟が信頼関係を保ったまま協議ができるように相続診断士に相談し、提携先にて遺産分割協議書を作成する事で費用と手間を軽減でき、円満な解決となるでしょう。
【問題事例4】(兄弟で相談を持ち掛けた専門家が違った為に争いになった事例)
3人いる相続人の内、1人は不動産を売却するという提案、1人は売却すると損をする事になると言われた、1人は一先ずは法定相続分通りに共有名義にするべきだと折り合いがつかず、争いへと発展してしまいました。
【この場合の事前対策】
税理士から見た最善策、宅地建物取引士から見た最善策、弁護士から見た最善策をうまく取り纏められずこうなる事はよくあるパターンです。相続する不動産が自宅だったなら、小規模宅地の特例を使えば最大で80%の減税が見込めます。そして住まない相続人には現金を支払って円満に解決すべき問題ですが、スムーズに話が進まなければ互いに信頼を無くし、このような事になります。
【問題事例4】(遺留分請求をされた事例)
夫からは私にすべてを相続する旨の公正証書を残してもらったのですが、弁護士を通じて、お金に困った次男から遺留分を侵害しているとの通知がありました。夫の生前は私に全てを私に相続する事で子供たちは一致しており、関係性もとても良好いたのでまさかこんな事になるとは思いませんでした。これを知った他の兄弟も遺留分の請求を考えないか心配です。
【この場合の事前対策】
この例は、ご主人様が公正証書を作成した時点で遺留分を放棄する旨の書類をお子さん全員からもらっておくべきでした。遺留分請求は次男さんが考えた訳ではなく、他の方から入れ知恵があったのかもしれません。
もし、他のお子様も弁護士を通じて請求してきたとなれば、本来はかからなかった弁護士費用がそれぞれにかかり不効率な結果です。弁護士にかかる費用は相続する金額によって変わりますが3%~8%程です。